追い焙煎とは、2ハゼに入っていないミディアム~ハイローストあたりの焙煎豆で、渋みや青臭さ、強い酸味などが残ってしまったものを、おいしく飲めるように再度焙煎のやり直しをすることです。
本記事では、この追い焙煎のポイント、やり方からダブル焙煎との違いまでを詳しく説明します。
おいしく飲めない中煎りまでの焙煎豆を、何とかおいしく飲めるようにしたいという方の参考にしていただければ幸いです。
追い焙煎(焙煎のやり直し)にチャレンジ
手鍋焙煎の実践編第3弾では、エチオピア産の豆をミディアムローストに焙煎しました。
エチオピアらしい香りと、酸味がやや強めのコーヒーが出来上がりましたが、焙煎がすこし浅かったのか、軽い渋みをともなう後味がすこし気になりました。
そこで今回は、再度焙煎(追い焙煎)をして、おいしく飲めるようにしてみたいと思います。
本記事は、↓こちらの記事の続編になりますので、あわせて参考にしてください。
追い焙煎とは
本記事でいう、追い焙煎とは、2ハゼに入っていないミディアム~ハイローストあたりの焙煎豆で、煎り止めが少し浅かったために、渋みや青臭さ、強い酸味などが残ってしまったものを、おいしく飲めるように再度焙煎のやり直しをすることです。
味については、さすがに最初からその焙煎度での仕上がりを狙って焙煎するのと同じというわけにはいきませんが、深煎りのコーヒーとして普通においしく飲めるようになります。
とくに酸味が強すぎておいしく飲めないという場合には、追い焙煎をすることで、かなりの確率でおいしく飲めるようになりますので、ぜひお試しください。
追い焙煎のポイント
・追い焙煎の対象は、2ハゼに入っていないミディアム~ハイローストあたりの焙煎豆とします … 2ハゼに入ったシティロースト以降の焙煎豆は、追い焙煎をするメリット(改善の余地)がほとんどないため、対象にはしません。
・1度焙煎された豆は、生豆と比べて水分がほとんどないため、焦げやすいので、予熱をかけずに、弱火でゆっくりと加熱していきます … 通常より早く温度が上昇する点に注意します。
・時間をかけすぎると、味が抜けて弱くなるので、焙煎時間を10分程度までに収めることを目指します。
・豆の内部まで完全に冷やしておく必要があるので、1回目の焙煎から最低1日以上の間隔をあけます。
追い焙煎のやり方
手鍋による追い焙煎(焙煎のやり直し)のやり方を、時系列に沿って簡単にまとめてみました。
ミディアムローストに焙煎したエチオピア産の豆を、強めの酸味や渋みを抑えておいしく飲めるようにするため、再度焙煎(追い焙煎)して、シティ~フルシティローストくらいに仕上げることを目標にします。

今回追い焙煎する豆
・ 生産国名:エチオピア
・ 格付け:G4
・ 精製方法:ナチュラル
・ 焙煎度:ミディアムロースト
煎り止めのタイミングについては、最終的には、複数の要素に基づいて、複合的に判断しますが、今回は2ハゼの鳴り始め(フライングする豆があるので、2ハゼを3回確認した時点)から、30秒くらいで、煎り止めしたいと思います。
なお、経過時間についての表示は、あくまで一つの目安として参考にしてください。
1.焙煎豆を投入してから点火し、タイマーをスタートさせます。
…すでに1度焙煎した豆で、水分がほとんどないため、焦げやすくなりますので、予熱をかけずに、豆を投入してから点火するようにします。
…火力は、鍋底にあたらない程度の弱めの中火で、ゆっくりと熱を加えていきます。

2.フタをした鍋を、前後に水平に、ゆっくり大きめに、ゆすって豆を撹拌します。
…「4~5秒ゆすったら、4~5秒コンロの火にかける」を繰り返します。
…フタが飛ぶと危険ですので、決して鍋をあおらないようにします。
3.3分経過 ⇒ フタの内側に水滴がすこし付いてきます。
…フタの内側にすこし水滴が付き、くもってきますが、まもなく消えていきます。

4.5分経過 ⇒ すこし火力を強めます。
…このあたりで、さらに焙煎を進行させるため、すこし火力を強めます。
5.8分30秒経過 ⇒ 2ハゼがきます。
…フライングする豆がある(最初のピチ)ので、ピチ、ピチとハゼを3回確認した時点から、30秒くらいで消火します。

6.9分10秒経過 ⇒ 消火後、すぐに煎り止めします。
…煎り止めのタイミングで豆をザルに出したら、うちわを使って速やかに冷却します。


出来上がりのカップ
抽出:ペーパードリップ/ハリオV60
豆13gで、150㏄ 抽出
追い焙煎の結果、酸味は、ほとんどなくなり、ほどよい苦味のあるコーヒーらしい?コーヒーになりました。
しかし肝心の、気になっていた渋みは、そのまま残ってしまいました。
…もしかすると、この渋みは(焙煎が浅かったからという)焙煎度の問題ではなく、生豆自体に起因するものなのかもしれません。
ダブル焙煎
追い焙煎とダブル焙煎の違い
追い焙煎とダブル焙煎は、2度焙煎するという意味では同じですが、焙煎のやり直しを目的とする「追い焙煎」と、はじめから2回焙煎することを前提に、1回目の焙煎は1ハゼの手前で中止する焙煎技法のひとつである「ダブル焙煎」とは、その目的が大きく異なります。
ダブル焙煎とは
ダブル焙煎とは、1回目の焙煎で豆の水分を調整し安定させてから一度冷却し、2回目の焙煎で目標とする焙煎度まで焼き上げる焙煎技法のひとつです。
これにより煎りムラを防ぎ、豆の芯まで均一に火が入りやすくなるメリットがある一方、手間と時間がかかり、香りが薄まり、味が弱くなる傾向にあります。
ダブル焙煎については、カフェバッハの田口護氏の長年の経験と知識が凝縮された名著「田口護の珈琲大全」で、味づくりの大事な技法のひとつとして、さまざまな焙煎法とともに紹介されています。
以下の記述は、田口護氏の「田口護の珈琲大全」(NHK出版,2003,100~102p)を参考に、その該当部分の内容を要約したものです。
・ダブル焙煎とは文字どおり二度煎りすることで、1ハゼの手前で1回目の焙煎を中止し、完全に冷却してから2回目の焙煎をするだけ。
・1回目の焙煎は、中火で数分、豆の色が少し抜けて白っぽくなるまで煎る。煎った豆は一度火からおろして冷却し、2回目は通常どおりの焙煎をおこなう。
・基本法則は、2回目の焙煎を深煎りにするなら、1回目の焙煎は浅めに煎る。2回目の焙煎を浅煎りにするなら、1回目の焙煎は深めに煎ること。
・1回目の焙煎と2回目の焙煎の間隔は、最低1日以上(1ハゼの手前で煎り止め、完全に冷却さえしてあれば2~3週間はそのままの状態でも大丈夫)置いたほうがよい。
・ダブル焙煎をする目的としては、渋みを抜きたい、強すぎる味や香りを抑えたい、豆の色合いを揃えたい、浅煎り~中煎り段階で酸味のバランスをとりたい、水分抜きをして煎りムラを避けたい … などが挙げられる。
・ダブル焙煎した豆は、概ねいやな酸味や渋みを出さず、豆のふくらみもよく、煎りムラも起きないため豆面もきれいにあがるが、香りが薄まり、強い味が弱くなる。
以上の記述は、田口護氏の「田口護の珈琲大全」(NHK出版,2003,100~102p)を参考に、その該当部分の内容を要約したものです。詳細な内容については原著をご確認ください。↓広告
まとめ
追い焙煎とは、2ハゼに入っていないミディアム~ハイローストあたりの焙煎豆で、煎り止めが少し浅かったために、渋みや青臭さ、強い酸味などが残ってしまったものを、おいしく飲めるように再度焙煎のやり直しをすることです。
本記事では、この追い焙煎のポイント、やり方からダブル焙煎との違いまでを詳しく説明しました。
おいしく飲めない中煎りまでの焙煎豆を、何とかおいしく飲めるようにしたいという方は、ぜひ、気軽にチャレンジしてみてください。



