大好きなコーヒーを仕事にしたい。いつか自分のお店を開業したい。と考えているあなたへ。
リスクを最小限に抑えるために、まずは、副業から始めてみませんか。
この記事では、コーヒービーンズショップを副業から始めるために必要なノウハウを紹介します。
コーヒーを仕事にしたいと願うあなたを応援します。
ビーンズショップを開業するために
大好きなコーヒーを仕事にしたい。いつか自分のお店を開業したい。と考えているあなたへ。
リスクを最小限に抑えるために、まずは、「コーヒー豆の販売」を、副業から始めてみませんか。
商売として成り立つ道筋がついてから、リアル店舗の開業を検討すればいいのです。
マイクロロースターとビーンズショップ
リアル店舗を持たずに始められる「コーヒー豆の販売」は、副業との相性が非常にいいのです。
「コーヒー豆の販売」というのは、マイクロロースターやビーンズショップをイメージして、ここでは、「小型の焙煎機を使用し、少量ずつ焙煎することで、常に焙煎したての新鮮なコーヒー豆を、専門的に販売するショップのこと」とします。
「マイクロロースター」とは、小型の焙煎機を使用し、少量ずつ焙煎することで、常に新鮮なコーヒー豆を提供できるロースター(焙煎業者)のことを指します。
大量生産ではなく、個々のお客様の好みに合わせて丁寧に焙煎(オーダー焙煎)できるのが大きな強みです。
コーヒー豆を、店舗で販売するだけでなく、オンラインショップを通じて販売したり、コーヒー教室などのイベントを開催したりする場合もあります。
「ビーンズショップ」とは、焙煎したての新鮮なコーヒー豆を、専門的に販売する店舗やオンラインショップのことを指します。
知識豊富なスタッフから豆に関する情報を得られるほか、試飲をして好みの豆を見つけることができる場合もあります。
カフェや喫茶店が、その場で飲めるコーヒーを提供することに重点を置いているのに対し、ビーンズショップは、自宅で飲んで楽しむためのコーヒー豆を販売することに特化しています。
ビーンズショップの魅力
コーヒー豆の販売は、時間をかけて地道にお客様を獲得していく商売ですが、いったん固定のお得意様ができれば、その後、安定した売り上げが見込めます。
ビーンズショップは、長い目でみると、安定した経営をすることができます。
その反面、あくまで、労働集約型の商売(労働の対価)なので、大きくは儲かりません。
製造(焙煎)から販売まで、単純にやることが多いので、忙しくて、地味な商売だともいえます。
◎ビーンズショップには、次のような利点があります。
ロスがほとんど出ない … 生豆の保存は、ある程度ききますし、売れ残った焙煎豆は、ドリップバッグに回すことも可能です。オーダー焙煎であれば、売れ残る心配もありません。
経費が抑えやすい … 家賃ゼロ(店舗を持たずに開業)も可能、人件費ゼロ(1人で開業)も可能です。コーヒーは、原価率の低い(原価が安い)商材です。コーヒー豆販売価格の原価率は、30%から高いものでも40%くらいです。
店舗を持たない販売方法の選択
1.ネットショップを立ち上げて運営する
自宅で、BASEやSTORESなどのサービスを利用して、簡単に、無料でネットショップを開設することができます。
2.リアル店舗を持たずに副業を始める
また、週末マーケット、イベントやマルシェへの出店、間借りカフェなどであれば、店舗を持たずに副業を始めることができます。
3.並行して、ブログやSNSなどでの情報発信による集客は、必要になります。
未経験からの開業を目指す
必要な知識の習得
コーヒーに関する知識については、専門学校などに通わなくても、独学で十分習得可能です。
今の時代、ブログやYouTubeなどネットから、いくらでも詳しい情報を、得ることができます。
大好きなコーヒーの勉強ですから、苦にはならないと思いますが、モチベーションアップのために、コーヒーの資格を取得するのも、いいかもしれません。
必要な焙煎技術の習得
ここで、「焙煎には技術が必要なので、開業支援をしてくれる店などで修業をして、技術を習得する必要があるのではないか?」という疑問が生じます。
もちろん、コーヒー焙煎の世界は奥が深いので、極めようとすれば、それこそキリがありません。
しかし、焙煎するというのは、単なる作業であって、慣れてくれば、想像しているほど難しいものではなく、独学でも十分習得可能だと思います。
試行錯誤して、経験を積んでいく中で、ステップアップしていけばいいのです。
生豆の仕入れは重要
コーヒーの味は、結局のところ「いかに上質の生豆を仕入れることができるか」にかかっています。
そのためには、普段から様々なコーヒーを飲んで、良い生豆を見分けるための、味覚を鍛えておく必要があります。
生豆の仕入れ先については、ネット上に、数多くのコーヒー生豆の販売サイトがあって、その多くは「小ロット」での、小分けにも応じてくれます。
少量ずつ焙煎するマイクロロースターにとっては、とてもいい時代になりました。
最小限必要な備品(道具)
ビーンズショップを開業するために最小限必要になる備品(道具)は次のとおりです。
備品 | 説明 |
---|---|
焙煎機 | 手鍋から本格的なものまで、選択肢は様々 |
ミル | できるだけ性能の良いものを使用 |
秤(はかり) | 焙煎豆計量用(2キロ)、必要に応じて生豆計量用(5キロ) |
保存容器 | 気密性の高いガラス瓶など、焙煎豆の一時保存用 |
包材 | コーヒー用の包装資材も、ネットで仕入れが可能 |
シーラー | 熱処理で、包材を密封する機械 |
必要な資格と届出・許可の手続き
ビーンズショップを開業するには、いくつかの資格や届出・許可などが必要です。
食品衛生責任者の資格取得
まず、開業時に必要な「食品衛生責任者」の資格を取得することが求められます。
「食品衛生責任者」の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を、1日受ければ誰でも取得できます。
コーヒー製造・加工業の届出
店舗を持たずにオンライン販売(ネット販売)するだけであれば「コーヒー製造・加工業の届出」のみで済みますが、店舗を持ってコーヒーや菓子類などの提供をする場合には「飲食店営業許可」が必要です。
届出の方は書類を提出するだけで済みます。いずれも管轄の保健所に申請します。
飲食店営業の許可
営業許可を取得するためには、まず保健所に必要書類を提出しますので、事前に調べて必要な書類を揃えておくことが大切です。
具体的には、営業許可申請書、店舗の図面、食品衛生責任者の資格証明書などが必要です。
その後、実際の店舗で保健所の担当者の立ち合い検査があり、通過すれば営業許可が下ります。
将来への展望
副業から本業へ
ビーンズショップ(コーヒー豆の販売)を、まずは副業から始めて、開業に必要なスキルや経験、ある程度の開業資金、そして商売として成り立つ道筋や自信がついたら、リアル店舗の開業を検討しましょう。

ビーンズショップは、もはや飽和状態?
コーヒーの味は、結局のところ「いかに上質の生豆を仕入れることができるか」にかかっています。
しかし、ダイレクトトレード(コーヒーの生産者や現地の輸出業者との直接取引)でもしない限り、いい仕入先の上質の生豆は、他のロースター(焙煎業者)ともダブってしまい、差別化できないのが、現状なのではないでしょうか。
近年、コーヒーに強い関心を持つ人たちが増えてきたのと同時に、昔なら相手にもされなかった「小ロット」での、小分けにも応じてくれる商社さんや問屋さんが増えてきたのも、その一因だと思われます。
いまや、コーヒーを自家焙煎して、品質や新鮮さを売りにしても、やっていけない時代。
現在のビーンズショップ業界は、競合の時代から、もはや飽和状態にあるのではないかと感じています。
他との差別化を図るには
では、何をもって、他との差別化を図ればいいのでしょうか?
あらゆる人の好みに対応するために、いろいろな銘柄や焙煎度のものを、まんべんなく品揃えするのが、王道なのかもしれません。
しかし、あえて特定の「銘柄」例えば、モカやマンデリンのみを取り扱ったり、「深煎りのコーヒー」に特化したりして、コアなお客様に絞り込んで、他との差別化を図るという方向性もあると思います。
もう一つ、自らの個性を最大限に発揮できて、他との差別化を図れるもの、それは「ブレンド」なのではないかと考えています。
コーヒーの「ブレンド」の組み合わせは、それこそ無限大ですので、他のロースターとも絶対ダブるようなことはありません。
そして、何よりも「コーヒーを創造する喜びや楽しさ」が「ブレンド」にはあります。
これからのロースターは、「焙煎」と共に「ブレンド」にも力を入れて、唯一無二の「オリジナルブレンド」を創ることが、自らの個性を発揮できる最強の商品になるのではないでしょうか。
まとめ
ビーンズショップは、いったん固定のお得意様ができれば、その後、安定した売り上げが見込め、長い目でみると、安定した経営をすることができます。
まずは副業から始めて、開業に必要なスキルや経験、ある程度の開業資金、そして商売として成り立つ道筋や自信がついたら、リアル店舗の開業も検討しましょう。
あえて特定の「銘柄」や「焙煎度」に特化したり、唯一無二の「オリジナルブレンド」を創るなど、他のショップとの差別化を図る工夫をすれば、「コーヒーを仕事にしたい」という、あなたの願いに、さらに一歩近づくことになるでしょう。