ベトナム式のコーヒーは、独特の抽出器具(コーヒーフィルター)である「カフェ・フィン」を使い、コンデンスミルク(練乳)を入れたコーヒーカップの上に、直接乗せて抽出します。
本記事では、その特徴や抽出に必要な器具、実際のベトナム式コーヒーの淹れ方などを、分かりやすく解説します。
これから、「ベトナム式コーヒーを試してみたい」という方の参考となることができれば幸いです。
ベトナム式コーヒーの特徴
カフェ・フィン(ベトナムのコーヒーフィルター)は、フィルターの自重で圧をかけるベトナム独特の抽出器具で、非常に簡単で、使い勝手の良いコーヒーフィルターです。
ベトナム式のコーヒーは、このカフェ・フィンを使い、一般的には、コンデンスミルク(練乳)を入れたコーヒーカップの上に、直接乗せて抽出します。
通常は、ベトナム産カネフォラ種(ロブスタ)の深煎り(フレンチ~イタリアン)のコーヒー豆を、細挽きにして使用します。
深煎りロブスタの「強い苦味」と、コンデンスミルクの「濃厚な甘み」が、とてもよく合います。
抽出に必要な器具
「カフェ・フィン」さえあれば、誰でも簡単に、ベトナム式のコーヒーを淹れることができます。

ベトナム式のコーヒーを淹れる時には、以下の器具を揃えておくと良いでしょう。
1.ベトナム式コーヒーフィルター(カフェ・フィン)
…日常の掃除や手入れは、フィルターの底に残ったコーヒーかすを、スプーンですくい取って捨てたら、後はさっと洗うだけなので、とても簡単です。
2.コーヒーカップ
…使用するフィルターにもよりますが、適応するカップの口径が少し小さめ(今回使用するフィルターで、約5.5cm~7.5cmくらい)なので、注意してください。
3.ドリップポット
4.コンデンスミルク(練乳)約30㏄
… 好みに応じて。個人的には、ブラックで飲んでいます。

◎左から、中フタ、カフェ・フィン本体、上フタ。
ベトナム式コーヒーの淹れ方
コンデンスミルク(練乳)を加えて飲むのが本場ベトナム流ですが、今回は、あえてブラックで楽しめるように中深煎り「フルシティ」のコーヒー豆を、「中挽き」にして使用します。
今回のレシピ(抽出条件)
- カップ一杯分:約100㏄あたり、中挽きのコーヒー粉10g
- 抽出時間:4分~5分 … この時間から外れる場合は、粒度(メッシュ)や粉の押さえ方を調節して収まるようにします。
- 今回は、コンデンスミルク(練乳)は使用しません。
抽出の手順
ベトナム式コーヒーの抽出の手順を5つのステップに分けて、解説します。
ステップ0.
好みに応じて、コーヒーカップにコンデンスミルク(練乳)を約30㏄入れておきます。

ステップ1.
コーヒーカップの上にコーヒーフィルターをのせ、コーヒー粉を入れ、軽くゆすって表面をならします。

ステップ2.
コーヒー粉の上に、中フタを乗せて、軽く押さえます。
粉の押さえ方で、抽出速度が変わりますので、良い加減を見つけてください。

ステップ3.
お湯を少量注いだら、20秒程蒸らします。


ステップ4.
蒸らしが終わったら、フィルターの上部までお湯を注ぎ、上フタをして保温します。

ステップ5.
お湯がすべて落ち切ったら、フィルターを外して、完成です。
抽出が終わった後のフィルターは、ひっくり返した上フタの上に置いてください。

今回は、あえてブラックで楽しめるように中深煎り「フルシティ」のコーヒー豆を、「中挽き」にして使用しました。
濃厚なコクと苦味、ほのかに感じる甘みが本当にクセになる味わいです。

飲んだ後のカップの底には、フィルターを通過した微粉が残っています。
レシピ(抽出条件)の調整
本場ベトナム流を試してみたい方は、深煎り「フレンチ~イタリアン」のコーヒー豆を、「細挽き」にして使用し、コンデンスミルク(練乳)を加えて、淹れてください。
コーヒーを、さらに自分好みの味わいにするために、今回のレシピ(抽出条件)を基に調整をして、「マイレシピ」を完成させましょう。
まとめ
ベトナムのコーヒーフィルター「カフェ・フィン」さえあれば、誰でも簡単に、ベトナム式のコーヒーを淹れることができます。
「カフェ・フィン」で淹れるベトナム式コーヒーは、濃厚なコクと苦味、ほのかに感じる甘みが、本当にクセになる味わいです。
「カフェ・フィン」は、特別なテクニックを必要とせず、日常の掃除や手入れも簡単(これ重要!)なので、初心者の方にもオススメの、非常に使い勝手の良いコーヒーフィルターです。