自分好みのコーヒー豆を選ぶための3つのポイント

基礎知識

専門店で好みのコーヒーを聞かれても、うまく答えられないということはありませんか。
そんな初心者の人のために、自分好みのコーヒー豆を選ぶために重要なポイントを整理して解説します。この記事を読むことで、好みのコーヒー豆が分かるようになります。

① 焙煎度

まずは自分好みの焙煎度を見つける

自分好みのコーヒー豆を見つけるためには、焙煎度の違うコーヒーを飲み比べて、まずは自分好みの焙煎度を知ることが最初の重要なポイントになります。

なぜなら、ブラジル、コロンビアなどの「生産国」やモカ、マンデリンなどの「銘柄」よりもコーヒーの味わいの違いがはっきり現れるのは「焙煎度」だからです。

専門店などで、おいしいと感じるコーヒーに出会えたら、生産国名や銘柄名だけでなく、その焙煎度を確認することで、自分好みのコーヒー豆を選ぶための参考になるはずです。

焙煎度による味わいの違い

コーヒーの生豆を乾煎りすることを「焙煎」といいます。
コーヒーは生豆の状態では青臭いだけで、味も香りもありません。
焙煎することで次第に褐色、黒褐色と見た目が変化していくとともに、コーヒー独特の味や香りが引き出されます。

焙煎の進行に伴い、褐色色素が増加し、焙煎の初期に生じる「酸味」は、焙煎が進むにつれて減少し、かわりに「苦味」が徐々に増してきます。
一般的に、この焙煎の進行状態は、最も浅いライトローストから最も深いイタリアンローストまでの8段階に分類されます。

ただし、これら焙煎度の分類には、明確な基準はなく、地域や店によって違いのある、あくまで主観的な区分だといえます。

コーヒーの焙煎度
コーヒーの焙煎度

この記事では、もう少し大括りに「浅煎り」、「中煎り」、「中深煎り」、「深煎り」に分類して、おおまかな味わいの特徴をまとめてみました。

焙煎度段階味わいの特徴
浅煎りミディアムロースト強い酸味とアメリカンコーヒーのような軽い味わい
中煎りハイロースト、シティロースト酸味と苦味のバランスがとれた味わいで、日本では最も一般的な焙煎度合い
中深煎りフルシティロースト酸味は少なくなり、苦みやコクをしっかりと感じられる味わい
深煎りイタリアンロースト、フレンチロースト酸味はほとんどなくなり、強い苦味と香ばしさで、濃厚な味わい
焙煎度による味わいの違い

なお、ライトロースト、シナモンローストは … まだ焙煎が浅い段階で、青臭さも残り、一般的にはあまり飲用向きではないとされています。

② 産地

コーヒーは、その産地(栽培環境)によって、味や香りが大きく異なります。

この記事では、主要なコーヒーの産地とおすすめの焙煎度などをまとめてみました。
好みの焙煎度にあったコーヒー豆を選ぶ時の参考にしてください。

産地焙煎度味わいの特徴
アジア中深煎り ~ 深煎り深煎りでボディ感と苦味が際立つ
アフリカ浅煎り ~ 中煎り浅煎りで香りと明るい酸味を最大限に引き出せる
中米中煎り中煎りで甘みと酸味が調和し、クリーンでバランスの取れた味わいに
南米中煎り ~ 深煎り中煎りで酸味とのバランスが良く、深煎りでコクと甘みが増す
コーヒーの産地とおすすめの焙煎度

プロのコーヒー焙煎士は、個々のコーヒー生豆の個性を最大限に引き出し、その豆の持つ最高の風味と香りを実現することを目指して焙煎します。
つまり、個々の豆には、その豆の個性にあった適正な焙煎度があるわけです。

ただ、個々の豆にあった適正な焙煎度というのは、あくまで「その豆の持つ個性を最大限に引き出せる」焙煎度ですので、その豆を他の焙煎度で焙煎しても、まったく問題はないわけです。

例えば、エチオピアの豆は、その個性である華やかでフルーティーな香りを引き出すために、浅煎りで焙煎されることがほとんどです。

しかし、同じエチオピアの豆を深入りで焙煎してみると、マンデリンとはまた違った後味のよい上質の深入りコーヒーを飲むことができます。
ぜひとも試してみてください。

③ 精製方法

収穫されたコーヒーチェリーから生豆を取り出す工程を「精製」といいます。
コーヒーは、その産地(栽培環境)の違いのほかにも、その精製方法の違いで味や香りは変わってきます。

この記事では、主な精製方法とそのおおまかな味わいの特徴などをまとめてみました。
好みのコーヒーを選ぶ時の参考にしてください。

名称精製方法味わいの特徴
ナチュラル果肉をつけたまま乾燥させ、自然発酵させる方法甘みとコクがあり、香りも濃厚
ウォッシュト果肉を除去した後に、発酵槽に浸けてミューシレージを除去してから乾燥させる方法クリアな味わいで、酸味が際立ちやすい
パルプドナチュラル(ハニー)果肉を除去した後に、ミューシレージを一部残したまま乾燥させる方法ミューシレージの残量が多いとナチュラルに近く、少ないとウォッシュドに近い
スマトラ式(ウェットハル)果肉とミューシレージを除去後、予備乾燥を経てパーチメントから脱穀して乾燥させるスマトラ地域独自の方法酸味が抑えられ、苦味の強い、独特の個性的な味わい
精製方法による味わいの違い

まとめ

自分好みのコーヒー豆を選ぶための3つのポイント

  1. まずは自分好みの焙煎度を見つける
  2. 好みの焙煎度にあった産地や銘柄を選ぶ
  3. 精製方法の違いで選ぶ