焙煎工程の中で、コーヒー豆は、基本的に2回ハゼます。
最初のハゼを1ハゼ、2回目のハゼを2ハゼと呼び、火力やダンパーの調整のタイミングをはかるポイントにされるとともに、煎り止めのタイミングを見る重要なポイントにもなります。
この記事では、なぜハゼるのか?音の違いは?実は3ハゼもある?からハゼと焙煎度の関係まで様々な疑問について分かりやすくご説明します。
この機会にコーヒー焙煎におけるハゼの基本を、しっかりマスターしましょう。
ハゼとは?
焙煎を進めてコーヒー豆が茶色く色づいてくると、「パチパチ」とはじける音がし始めます。この豆が爆ぜる現象を「ハゼ」と呼んでいます。
ハゼは、始まり → ピーク → 終わり、という流れで進行し、さらに焙煎を続けると、より高くて小さな「ピチピチ」という音がし始めます。
最初のハゼを1ハゼ(いちはぜ)、2回目のハゼを2ハゼ(にはぜ)と呼び、焙煎工程の中で火力やダンパーなどの調整のタイミングをはかるポイントにされるとともに、煎り止めのタイミングを見る重要なポイントにもなります。
「焙煎度ごとの煎り止めのタイミング」については、別の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。↓こちらの記事
ハゼは何回ある?

コーヒー豆は、焙煎工程の中で、基本的に「パチパチ」と低くて大きい音の「1ハゼ」と「ピチピチ」と高くて小さい音の「2ハゼ」の2回ハゼます。
実は3ハゼもある?
2ハゼの後も更に焙煎を続けると、豆の炭化や崩壊が進み、非常に小さな破裂音がすることがあり、これを「3ハゼ」と呼ぶ人もいます。
ただし「3ハゼ」は「1ハゼ」や「2ハゼ」のように一般的に確立した焙煎用語ではありません。
むしろ焙煎工程では、2ハゼ後の「post-second-crack(2ハゼ後)」の段階として「豆の炭化や黒色化、大量の煙の発生、さらに進めば発火の危険のある領域」として扱うほうが適切です。
ハゼ音の違いは?
1ハゼ(First Crack)は、2ハゼより低くて大きい「パチパチ」という音が聞こえます。
コーヒー豆は同じ種類でも大きさや硬さ、水分含有率にもばらつきがあるので、全ての豆が一斉にハゼるのではなく、1~2分ほどの時間をかけてハゼていきます。
また豆の個数と比べるとハゼ音の回数は少なく、すべての豆が音をたててハゼるわけではありません。1ハゼの音がほとんど聞こえないこともあります。
2ハゼ(Second Crack)は、1ハゼより高くて小さな「ピチピチ」という音がたくさん聞こえることから、かなり高い割合の豆がハゼていると考えられます。
なぜハゼるのか?
ここが少し興味深いところです。
1ハゼと2ハゼ、この2回のハゼは、まったく同じ現象が2回繰り返されているわけではありません。
ハゼるに至る理由が、以下のとおり違うのです。
1ハゼ(First Crack)
1ハゼが起きる時期と前後して豆のしわが伸び始め、以降次第に膨らんでいきます。
豆が膨張し始め、センターカット奥の隙間の一部が塞がると、そこに溜まった水蒸気やガスが逃げ場を失って内圧がどんどん上がり、やがてそれが破裂音とともにハゼると考えられます。
2ハゼ(Second Crack)
2ハゼの少し手前から、煙の色が少し変わって二酸化炭素などの燃焼ガスの発生が急増しますが、このガスの一部が内部の隙間に閉じ込められて逃げ場を失い、どんどん内圧が上がって限界を越えた瞬間、破裂音を発しながらハゼると考えられます。
参考文献:旦部幸博.コーヒーの科学.講談社ブルーバックス,2016,187‐189p.
豆がハゼない? ハゼ音が弱い?
豆によっては、もともとハゼにくいものもあります。
例えば、ブラジルなど肉厚が薄くて柔らかく、水分が少ない豆は、ハゼ音が弱い傾向にあります。
一方、ケニアやタンザニアなど肉厚が厚く硬い豆は、ハゼ音が強い傾向にあります。
また、長時間かけてハゼの温度に達した場合は、ハゼ音がしないこともあります。
これはハゼを発生させるための水分(水蒸気)のほとんどが既に失われているからと考えられます。
ここで注目したいのは、ハゼ音の強さとコーヒーのおいしさとは関係がないということです。
短時間でハゼの温度に到達させたり、ハゼ温度の少し前に火力を上げたりすれば、ハゼを強くすることができますが、それでコーヒーがおいしくなるわけではありません。
ハゼは焙煎度との関係が重要
焙煎工程の中でハゼを理解すると、焙煎度との関係も分かりやすくなります。
焙煎の工程をざっくり言うと「生豆 →(加熱)→ 黄色くなる → 茶色くなる → 1ハゼ → 2ハゼ →(さらに焙煎)→ 豆の炭化や黒色化、大量の煙の発生 → 発火の危険」という流れになります。
1ハゼ開始後、どのくらい焙煎を続けるかによって、浅煎り~中煎り~深煎りなどの仕上がりが変わってきます。
したがって、ハゼは単なる音ではなく「焙煎がどこまで進んでいるのかを知る重要なサイン」になります。
「焙煎度ごとの煎り止めのタイミング」については、別の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。↓こちらの記事
まとめ

ハゼは、焙煎工程の中で理解すると、焙煎度との関係も分かりやすくなります。
1ハゼ開始後、どのくらい焙煎を続けるかによって、浅煎り~中煎り~深煎りなどの仕上がりが変わってきますので、ハゼは単なる音ではなく「焙煎がどこまで進んでいるのかを知る重要なサイン」になります。
この記事では、なぜハゼるのか?音の違いは?実は3ハゼもある?からハゼと焙煎度の関係まで様々な疑問について分かりやすくご説明していますので、この機会にコーヒー焙煎におけるハゼの基本を、しっかりマスターしましょう。



