2025年のデカフェ(カフェインレス)コーヒーの輸入量は過去最高の5,633トンで、5年前(2020年)の2,507トンと比較して2倍以上に増加しています。
デカフェコーヒーの輸入量が、近年増加傾向にあるのは、どのような背景があるのでしょうか。
今回の記事では、2025年に過去最高を記録したデカフェコーヒーの輸入量増加(市場の拡大)の背景について考えてみます。
デカフェコーヒーの需要と推移
デカフェ(カフェインレス)コーヒーについては別の記事で、ノンカフェインとの違いから、カフェイン除去の3つの方法、100mlあたり&1杯あたりの飲み物ごとのカフェイン含有量や安全なカフェイン摂取量の目安などの基本的な知識を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。↓こちらの記事↓
↑以前の記事↑で、日本国内におけるデカフェコーヒーについては「カフェイン制限への意識が欧米ほど強くない」「デカフェコーヒーはおいしくないというイメージを持つ人が今も一定数いる」などの理由により、欧米ほど普及していない。と紹介しました。
もともとは妊娠中や授乳中の女性など「コーヒーを飲みたいが、カフェインは控えたい」という需要を背景に徐々に拡大してはきたものの、日本国内ではこれまで長らく限定的だったデカフェ(カフェインレス)コーヒーの市場ですが、近年は健康志向の高まりなどにより、年代や性別を問わず、幅広い人々から求められるようになっており、その市場は拡大しています。
デカフェコーヒーの輸入量は過去最高
全日本コーヒー協会の統計資料によると、2025年のデカフェコーヒーの輸入量は過去最高の5,633トンで、5年前(2020年)の2,507トンと比較して2倍以上に増加しています。
★ デカフェコーヒーの輸入推移
| 2020 年 | 2,506,832 kg |
| 2021 年 | 3,335,466 kg |
| 2022 年 | 4,156,290 kg |
| 2023 年 | 3,837,329 kg |
| 2024 年 | 3,455,683 kg |
| 2025 年 | 5,632,791 kg |
参照元:全日本コーヒー協会>統計資料(外部リンク)
輸入量増加(市場の拡大)の背景

もともとは妊娠中や授乳中の女性など「コーヒーを飲みたいが、カフェインは控えたい」という需要を背景に徐々に拡大してきたデカフェコーヒーの市場ですが、近年デカフェコーヒーを選ぶ人は、どう変わってきているのでしょうか。
日本国内におけるデカフェコーヒーの輸入量が、近年増加傾向にある背景には、次のようなことがあると考えられます。
おいしさを求める人が増えている
そもそもデカフェ(カフェインレス)コーヒーは、カフェイン除去の処理前とはコーヒー生豆に含まれている成分に、どうしても違いが生じるため、それは風味の違い(香りが弱い、コクが少ないなど)となって表れてくるという難しさがあります。
そのため「カフェインは控えたいが、味に妥協はしたくない」という需要にどう応えるかは、長年の課題でもありました。
しかし現在では、スイスウォータープロセス(※1)や 超臨界二酸化炭素抽出(※2)などの処理技術の進化により、普通のコーヒーとの味の差はかなり小さくなっていることも、デカフェコーヒーの普及を後押しした背景の1つと考えられます。
最近では、デカフェコーヒーでも通常のコーヒーと同じように、おいしさを求める人が増えてきています。
※1 水による除去方法(スイスウォーター式)
… コーヒー生豆を水に浸けて、カフェイン以外の水溶性の成分をあらかじめ溶かし出しておいた飽和水を用意し、その水にコーヒー生豆を漬けることでカフェインを選択的に除去する製法です。
※2 二酸化炭素による除去方法(超臨界二酸化炭素方式)
… 二酸化炭素(気体)に圧力をかけて、気体と液体の両方の性質をもった状態(超臨界の状態)、あるいは液体の状態にして使用します。この特殊な状態の二酸化炭素でコーヒー生豆を処理することで、カフェインを選択的、かつ効率的に除去する製法です。
★ 現在日本で流通しているデカフェ(カフェインレス)コーヒーは「水」または「二酸化炭素」を用いた製法で処理されています。有機溶媒(薬品)によって処理されたデカフェ(カフェインレス)コーヒーは、安全性の観点(溶媒の残存性の問題や発ガン性の問題)から、日本での流通は認められていません。
カフェインを意識する人が増えている
コーヒーに含まれるカフェインには「覚醒作用」や「利尿作用」などがあります。
従ってコーヒーを飲むと、この「覚醒作用」の影響で、眠れなくなってしまったり「利尿作用」の影響で、トイレが近くなったりすることがあります。
普段は通常のコーヒーを飲んでいる人でも「夜間にもコーヒーを飲みたいが、睡眠への影響が気になる」や「コーヒーを飲んで映画を見たり観劇したいが、利尿作用が気になる」といった理由から、カフェインレスを選ぶケースも増えてきています。
こういったカフェインの摂取量を意識的に調整する健康意識の高い人は、飲む量や時間帯などに応じて通常のコーヒーとカフェインレスのコーヒーを積極的に使い分けているのです。
そして価格(安さ)よりも品質の良いものを選ぶ傾向にあり、デカフェ(カフェインレス)商品の価格許容度も高い傾向にあるようです。
夜間にデカフェコーヒーを飲む人が増えている
コロナ禍を契機としたテレワークの急速な普及により、自宅でコーヒーを飲む機会が増え、時間帯でカフェインの摂取量を調整することが当たり前になりました。
また、ホテルやレストラン、カフェやバーなどでも、就寝が近い夜の時間帯でのデカフェ(カフェインレス)コーヒーの利用も増加しています。
デカフェコーヒーの普及により、今後日本国内でも、夜間にコーヒーを飲む習慣が定着するかもしれません。
インバウンド(訪日外国人)が増えている
新型コロナウイルス感染症の影響により、2021年にはわずか24万6千人まで落ち込んだ訪日外国人数ですが、2024年には3,687万人を記録し、コロナ禍前の2019年(3,188万2千人)を大きく上回り、過去最高を更新する結果となりました。
その勢いは2025年に入っても衰えず、2025年の訪日外国人数は4,268万3千人と過去最多を更新し、初めて4,000万人を突破しました。
日本を訪れる外国人観光客は、過去最高を記録した2025年を経て、2026年も高い水準で推移しています。
参照元:日本政府観光局(JNTO)>統計データ>訪日外客統計(外部リンク)
自国でデカフェ(カフェインレス)コーヒーが標準的な選択肢として定着しているインバウンド(訪日外国人)が増加したことで、日本のホテルやレストラン、カフェなどで扱うデカフェコーヒーの業務用ニーズが拡大しています。
おすすめのデカフェ(カフェインレス)コーヒー

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まとめ
もともとは妊娠中や授乳中の女性など「コーヒーを飲みたいが、カフェインは控えたい」という需要を背景に徐々に拡大してきたデカフェ(カフェインレス)コーヒーの市場ですが、近年デカフェコーヒーを選ぶ人は、どう変わってきているのでしょうか。
2025年のデカフェコーヒーの輸入量は過去最高の5,633トンで、5年前(2020年)の2,507トンと比較して2倍以上に増加しています。
デカフェコーヒーの輸入量が、増加傾向にある背景には、次のようなことがあると考えられます。
・デカフェコーヒーに、おいしさを求める人が増えている
・カフェインを意識する人が増えている
・夜間にデカフェコーヒーを飲む人が増えている
・自国でデカフェコーヒーが標準的な選択肢として定着しているインバウンド(訪日外国人)が増えている
日本国内ではこれまで長らく限定的だったデカフェコーヒーの市場ですが、近年は健康志向の高まりなどにより、年代や性別を問わず、幅広い人々から求められるようになっており、その市場は拡大しています。


