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【実践フレンチ編】コーヒー手鍋焙煎|ケニア AA ウォッシュト

焙煎

本記事では、自宅で簡単に、手鍋でコーヒーを焙煎する方法を、必要な道具類から焙煎のプロファイル、やり方のポイントまで詳しく紹介します。
今回は、ケニア産の豆を、フレンチローストに仕上げることを目標にして焙煎する実践編です。
これから、コーヒーの焙煎に挑戦してみたいという方の参考にしていただければ幸いです。

自宅で簡単、手鍋でコーヒー焙煎

手鍋でも、本格的な焙煎機に負けない、おいしいコーヒーを手軽に焙煎することができます。
コーヒー焙煎の流れ(プロセス)は、手鍋でも焙煎機でも同じで、変わることはありません。

焙煎において大切なのは、豆の色を合わせることではなく、この焙煎のプロセスと時間を合わせることです。まずは、手軽な手鍋を使った焙煎で、焙煎の基本をマスターしましょう。

手鍋による焙煎については、別の記事でも紹介していますので、あわせて参考にしてみてください。↓こちらの記事


手鍋焙煎に必要な道具類

1.片手鍋
2.カセットガスコンロ
3.キッチンタイマー
4.金属製のザル(焙煎した豆の冷却に使います)
5.うちわ(焙煎した豆の冷却に使います)
6.生豆

注意事項 … 実際に焙煎をする際には、やけどを防止するため、軍手などを着用し、特に深煎りの場合は、相当量の煙が出ますので、換気することを忘れないようにしましょう。


手鍋によるコーヒー焙煎のプロファイル

手鍋によるコーヒー焙煎のプロファイル(生豆をどのように加熱して焙煎するかのレシピ)をまとめてみました。参考までに、目標とする焙煎時間の目安も表示しています。

また、焙煎時の火力は、その日の気温や湿度、投入する生豆の量などの前提条件の違いによっても、調節が必要になってきます。

なお、時間や火力についての表示は、ケース by ケースですので、数値はあくまで一つの目安として参考にしてください。

時間の目安焙煎のおおまかな流れ火力の目安煎り止め
(30秒~1分)予熱(中火)
生豆の投入弱めの中火
3分(フタの内側に水滴が付く)↑ 中火
5分(豆が肌色になる)
7分(豆が黄色っぽくなる)↑ 強めの中火
10分1ハゼ(パチパチ)↓ 弱めの中火
11分30秒~40秒(1ハゼの終わり)↑ 中火
13分30秒2ハゼ(ピチピチ)↓ 弱めの中火⇒ シティ
14分~14分10秒(2ハゼのピーク手前)↓ 弱火⇒ フルシティ
14分20秒~30秒消火(2ハゼのピーク)
14分40秒~50秒煎り止め(2ハゼ終わりまでの間)⇒ フレンチ
15分~(2ハゼの終わり~)⇒ イタリアン
手鍋によるコーヒー焙煎のプロファイル(フレンチ編)

2ハゼ以降の煎り止めのタイミング

2ハゼ を判断基準にする

  • シティロースト
    2ハゼが鳴り始めて、すぐ(2ハゼの入り際)
    注意点:フライングする豆がある(最初のピチ)ので、ピチ、ピチと3回確認したら、すぐに煎り止めします。
  • フルシティロースト
    2ハゼの鳴り始めから、30~40秒くらい(2ハゼのピーク手前)
    注意点:上記の通りフライングする豆があるので、2ハゼを3回確認した時点からカウントをスタートし、30~40秒くらいで、煎り止めします。

2ハゼ + 油の浮き具合 を判断基準にする

  • フレンチロースト
    2ハゼのピークを越えて、2ハゼの終わりまでの間
    豆に油が浮いてくる状態を確認しつつ、油の浮き具合(てかり)を見ながら煎り止めします。
  • イタリアンロースト
    2ハゼの終わり~
    豆の色が濃い茶色から、ほぼ黒色になり、豆全体が油で、てかてかになります。
    …これ以上深く焙煎すると、豆の温度も高温になっているので、豆に火がつくことがあるので注意が必要です。

手鍋焙煎のやり方(要点)

手鍋によるコーヒー焙煎のポイントを、時系列に沿ってまとめてみました。
今回は、ケニア産の豆を、フレンチローストに仕上げることを目標にして焙煎します。

生豆(ケニアAAウォッシュト)
生豆(ケニアAAウォッシュト)

今回焙煎する生豆

・ 生産国名:ケニア
・ 格付け:AA
・ 精製方法:ウォッシュト
・ 生豆の量:100g

煎り止めのタイミングについては、最終的には、複数の要素に基づいて、複合的に判断しますが、フレンチローストの場合は「2ハゼ+油の浮き具合」を基準に判断するようにしています。
2ハゼのピークを越えて、2ハゼの終わりまでの間、豆に油が浮いてくる状態を確認しつつ、油の浮き具合(てかり)を見ながら煎り止めします。


1.焙煎前のハンドピックをします。
 …色の黒い豆や白い豆など他の豆に比べて極端に色の違う豆、欠けたり割れている豆、貝殻のようになっている豆、小さい穴の空いた虫食い豆、石や木くずなどの異物などを焙煎前に取り除きます。

2.鍋を予熱した後、生豆を投入し、タイマーをスタートします。
 …予熱は中火で、30秒~1分の範囲内で、その日の室温などによって適宜、時間を調節します。

生豆投入直後の様子
生豆投入直後の様子

3.フタをした鍋を、前後に水平に、ゆっくり大きめに、ゆすって豆を撹拌します。
 …「4~5秒ゆすったら、4~5秒コンロの火にかける」を繰り返します。
 …フタが飛ぶと危険ですので、決して鍋をあおらないようにします。

4.3分経過 ⇒ フタの内側に水滴が付いてきます。
 …フタの内側に水滴が付き、くもってきますが、まもなく消えていきます。

フタの内側に水滴が付く
フタの内側に水滴が付く

5.5分経過 ⇒ 豆が肌色になります。
 …豆の色が、うす緑色から徐々に「肌色」になってきたら、水分が抜けてきた状態です。
 …シルバースキンが薄皮(チャフ)となってはがれ、鍋のフタの内側に張り付き始めます。

フタの内側にチャフが付き始める
フタの内側にチャフが付き始める

6.7分経過 ⇒ 豆が黄色っぽくなります。
 …焙煎を進行させるため、このあたりで、すこし火力を強めます。
 …この「豆が黄色っぽくなる」までの時間を、毎回合わせることで、手鍋による焙煎は安定してきますので、重要なチェックポイントです。

豆が黄色っぽくなる
豆が黄色っぽくなる

7.1ハゼ(パチパチ)がきます。
 …焙煎は温度が高い時に大きく変化します。急激な温度の上昇を抑えるため、火力を落とします。
 …時おりフタを開けて、煙を排出します。
 …フタが飛ぶと危険ですので、フタはしっかり閉じるようにします。
 …鍋をコンロに置く時間を短くします。「4~5秒ゆすったら、1~2秒コンロの火にかける」を繰り返します。

フタを開けて煙を排出する
フタを開けて煙を排出する

8.1ハゼが収まります。
 …焙煎を進行させるため、すこし火力を強めて、徐々に温度を上昇させます。
 …フタは開けずに閉めた状態で、焙煎を進めます。
 …2ハゼが近づくにつれて、白い煙が多く出始めます。

9.2ハゼ(ピチピチ)がきます。
 …焙煎は温度が高い時に大きく変化します。急激な温度の上昇を抑えるため、火力を落とします。
 …頻繫にフタを開けて、煙を排出します。

2ハゼすぐの豆の様子
2ハゼすぐの豆の様子

10.消火後、煎り込みをします。
 …タイミング(2ハゼのピークあたり)を見計らって消火したら、余熱を使って焙煎(煎り込み)を進めます。
 …相当量の煙が出ますので、換気することを忘れないようにしましょう。
 …豆の状態をよく見て、煎り止めのタイミングをはかります。

煎り込みをする
煎り込みをする

11.煎り止めします。
 …豆に油が浮いてくる状態を確認しつつ、油の浮き具合(てかり)を見ながら煎り止めします。
 …煎り止めのタイミング(2ハゼのピーク~2ハゼの終わりまでの間あたり)で豆をザルに出したら、うちわを使って速やかに冷却します。

ザルに出した焙煎豆
ザルに出した焙煎豆

12.焙煎後のハンドピックをします。
 …全体的に見て、焦げた豆や色の薄い豆は、味が悪くなるので取り除きます。


出来上がりのカップ
出来上がりのカップ

出来上がりのカップ

抽出:ペーパードリップ/ハリオV60
豆13gで、150㏄ 抽出

なめらかな舌ざわりに、後味のよい苦味とほのかな甘みも感じられる、雑味のない深入りコーヒーが出来上がりました。

まとめ

手鍋焙煎の実践編である今回は、ケニア産の豆を、フレンチローストに仕上げることを目標に焙煎しました。
本記事では、コーヒーの焙煎にチャレンジしてみたい方の参考となるように、手鍋でコーヒーを焙煎する方法を、必要な道具類から焙煎のプロファイル、やり方のポイントまで詳しく紹介しました。
ぜひ、気軽にチャレンジして、新しいコーヒーの世界に、足を一歩踏み入れてください。



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